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2015.02.13

老人ホーム事業に関係する法規制には、どのようなものがありますか?(第2回)

 第2回は、前回のコラムで少し触れた、サービス付き高齢者向け住宅に関係する法規制について紹介します。

 第1回は、老人福祉法についてです。

 Q サービス付き高齢者向け住宅とは?

 A サービス付き高齢者向け住宅は、介護・医療と連携して高齢者を支援するサービスを提供するバリアフリー構造の住宅として、高齢者の居住の安定確保に関する法律(以下「高齢者住まい法」といいます。)にもとづく登録制度によって、都道府県知事(政令指定都市及び中核市については市長)の登録を受けた施設のことをいいます(高齢者住まい法5条)。   
 前回のコラムでも紹介した通り、有料老人ホームに該当する場合であっても、サービス付き高齢者向け住宅として登録されている場合には、有料老人ホームとしての届出は不要となります(高齢者住まい法23条)。

 Q サービス付き高齢者向け住宅として登録されるための基準はありますか?

 A 高齢者住まい法では登録基準が定められており(高齢者住まい法7条1項、国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則(以下「規則」といいます。)8~15条)、主なものは以下の通りです。

(1)規模、設備について
・各専用部分の床面積は、原則として25㎡以上
・各専用部分に、台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を備えていること
・バリアフリー構造であること

(2)サービスについて
・安否確認サービス、生活相談サービスを提供すること

(3)入居者との契約について
・書面による契約であること
・居住部分が明示された契約であること
・長期入院などを理由に事業者から一方的に解約できないことになっている等、高齢者の居住の安定が図られた契約内容であること
・家賃やサービスの前払金を受領する場合には、前払金の返還ルール及び保全措置が講じられていること

 登録基準については、都道府県知事が策定する「高齢者居住安定確保計画」において独自の基準が設けられている場合があります。

 Q サービス付き高齢者向け住宅を運営するにあたってどのような義務等が定められていますか?

 A 高齢者住まい法で定められている事業者の義務等のうち、主なものは以下の通りです。

・登録事項の開示
 登録事業者は、提供するサービス等の登録事項の開示が義務づけられています(高齢者住まい法16条、規則19条)。
・入居予定者に対する説明
 入居予定者に対し、登録事項等について、書面を交付して説明することが義務づけられています(高齢者住まい法17条、規則20条)。
・帳簿の備え付け等
 登録住宅の管理に関する事項について記載した帳簿を備え付け、2年間保存しておくことが義務づけられています(高齢者住まい法19条、規則21条)。
・誇大広告の禁止
 広告をするときは、入居者に提供する高齢者生活支援サービスの内容等について、誇大な広告をしてはならないとされています(高齢者住まい法15条、規則18条)。
・住宅管理やサービスに関する行政の指導監督
 都道府県知事(政令指定都市及び中核市については市長)は、業務の状況や帳簿、書類等について立入検査を行うことができ、登録基準への不適合や違反があった場合には、是正のために必要な措置を指示することができるとされています(高齢者住まい法24条、25条)。
・老人福祉法上の義務(有料老人ホームに該当する場合)
 有料老人ホームとしての届出は不要(高齢者住まい法23条)ですが、それ以外の点に関しては、老人福祉法の規定が適用されます。

 その他に、各都道府県で、サービス付き高齢者向け住宅設置運営指導指針が定められている場合があります。


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