2010.09.27
Q 私は、Aというフランチャイザーとフランチャイズ契約を締結したのですが、Aは、そのフランチャイズ事業から撤退すると言って、まだ契約期間が終了していないにもかかわらず、フランチャイズ契約を解除すると通告してきました。どのように対応すべきでしょうか。
A フランチャイズ契約に、途中解約の場合の双方の責任が規定されている場合がありますので、フランチャイズ契約の内容を確認する必要があります。
では、フランチャイザーの責任が規定されていなかったり、規定されていても満足できるようなものではなかったり、さらにはフランチャイザーが自由に解約できる旨の記載があるような場合には、どうすべきでしょうか。
この点、東京地方裁判所平成17年1月25日判決(営業差止等請求事件)は、当該事件で問題となったフランチャイズ契約は、「継続的な取引契約であるから,被告らが,これを前提として,人的及び物的な投資をしている。したがって,公平の原則,信義誠実の原則(民法1条)に照らすと,このような継続的な契約関係である本件契約を解除によって終了させるためには,解除原因についてフランチャイズ契約の基礎である信頼関係を破壊するに至る程度の合理的な理由があることが必要である」と判示しました。
したがって、本件においても、フランチャイザーおよびフランチャイジーの間の信頼関係が破壊されていなければ、フランチャイズ契約を解除することはできず、契約を履行しないフランチャイザーは、損害賠償責任を負うという主張をすることも十分可能です。
したがって、フランチャイズ契約の期間途中において、フランチャイザーからフランチャイズ契約を解除すると通告された場合、フランチャイジーは、「はい、分かりました。」と解除に応じる必要はなく、損害賠償請求などの手段を検討すべきです。その損害賠償請求の過程において、フランチャイザーから譲歩を引き出して和解することも可能でしょう。
ただし、個々の事案によって、様々な事情がありますので、どのような主張を行い、相手に対して、どのような要求をすべきかについては、弁護士と相談して決めるべきでしょう。
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