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2010.02.17

企業および個人事業者における社会保険の概要

(1)労災保険

 労働者(パート、アルバイトを含む)を一人でも雇い入れた場合、労働基準監督署へ報告書を届出の上、事業所単位で、事業主が労働保険の加入手続きをする必要があります(労基法104条の2、労基法施行規則57条、労働保険の保険料の徴収等に関する法律4条の2)。なお、毎年、6月1日から7月10日までの間に、年度更新をする必要があります。

(2)雇用保険

 労働者(パート、アルバイトを含む※)を雇い入れた場合、「雇用保険被保険者資格取得届」を、その労働者が被保険者となった日の属する月の翌月(雇い入れた月の翌月)の10日までに、所轄のハローワークへ提出する必要があります(雇用保険法7条、雇用保険法施行規則6条)。なお、毎年、6月1日から7月10日までの間に、年度更新をする必要があります。

※<適用基準> 下記①および②のいずれにも該当する場合

厚生労働省ウェブサイト

① 1週間の所定労働時間が20時間以上であること。
② 6か月以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること。

 具体的には、次のいずれかに該当する場合をいいます。

・期間の定めがなく雇用される場合
・雇用期間が6か月以上である場合
・2か月、3か月など短期の期間を定めて雇用される場合であって、雇用契約においてその更新規定が設けられているとき(6か月未満の雇止規定がある場合を除きます。)
・3か月、6か月など短期の期間を定めて雇用される場合であって、雇入れの目的、その事業所の同様の雇用契約に基づき雇用される者の過去の就労実績等からみて、契約を6か月以上にわたって反復更新することが見込まれるとき(注) [(注)当初の雇入時には6か月以上反復して雇用されることが見込まれない場合であっても、その後の就労実績等からみて、6か月以上反復して雇用されることが見込まれることとなった場合には、その時点から雇用保険が適用されます。]

 労働者が退職すると、事業主は、被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内に、「離職証明書」を添付して、「雇用保険被保険者資格喪失届」を所轄のハローワークへ提出する必要があります(雇用保険法施行規則7条)。その時に受け取る、「離職票」を退職した労働者に交付する必要があります。

(3)健康保険および厚生年金保険

 適用事業所は、「全ての法人事業所」および「常時5人以上の従業員を使用する個人事業所」です(厚生年金保険法6条1項)。なお、個人事業所のうち、理容・美容院、旅館、飲食店、クリーニング店、農林水産業、弁護士、税理士事務所等は除かれます。

 パート、アルバイトであっても、「通常の就労者の所定労働時間及び所定労働日数のおおむね4分の3以上である就労者については、原則として健康保険及び厚生年金保険の被保険者として取り扱うべきものであること」とされています(注)。なお、労働者が退職すると、事業主は、退職日の翌日から起算して5日以内に、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」及び「健康保険証」を所轄の社会保険事務所へ提出する必要があります(注2)。

(注) 厚生労働省ウェブサイト
(注2) 社会保険庁ウェブサイト


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