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2009.12.25

毒入餃子(その3)‐事後の対策

 2008年1月から2月にかけて、中国から輸入したギョーザ(餃子)で中毒が発生したことが報道されました。かかる問題に対して、日本企業はどのような対策を取るべきでしょうか。前回は事前の対策を検討しましたが、今回は、事後の対策について検討します。

第3回 取りうる事後の対策

 不幸にして、事件が発生してしまった場合の対策としては、(1)売り場から一定範囲の食品を撤去する、(2)問題を発表し、製品を回収すること、(3)中国の食品加工工場に対して検査を行う、(4)中国の食品加工工場に対して損害賠償を請求することが考えられます。

(1)売り場から一定範囲の食品を撤去すること

 責任者の判断で、当該食品を売り場から撤去し、さらに、どの範囲の食品を売り場から撤去するかを決定すべきです。また、すぐに警察に通報すべきです。

 この点、マニュアルが作成されていれば、それに従って、食品の問題についての情報が責任者に集まります。また、責任者が判断するまでは、現場担当者がマニュアルに従って、該当食品などを売り場から撤去することも可能となります。

(2)問題を発表し、製品を回収すること

 問題が発生した食品の製品名をマスコミ、店頭、又は、ウェブページを通じて明らかにし、回収を行い、すでに問題がある可能性のある食品を購入した消費者が当該食品を摂取することを防止すべきです。また、同時に現在取りつつある対策を明らかにすることで、信頼回復に努めるべきです。

 また、電話での問い合わせに応じるための窓口を設置することも検討すべきです。

 この点、事前にマニュアルを作成していれば、比較的迅速に発表内容を準備することができます。また、発表する情報の検討、及び、発表の席に弁護士が同席することも検討すべきです。

(3)中国の食品加工工場を検査すること

 毒物がどこで混入したかを判断するために、食品加工工場との契約に基づいて、食品加工工場を検査すべきです。

(4)中国の食品加工工場に対して損害賠償を請求すること

 食品加工工場との契約に基づいて、損害賠償を請求すべきです。また、中国の不法行為法(「民法通則」)、及び、製造物責任法(「製品品質法」)に基づく損害賠償請求が認められる可能性もあります。

(5)その他

 役員及び従業員が株式のインサイダー取引を行うことがないよう、役員及び従業員に対して、注意喚起をすべきです。


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